主催:「戦争も核兵器もない平和な世界を」市民の集い 実行委員会
後援:平和市長会議、(公財)広島平和文化センター、広島市
10月28日(金)広島YMCA国際文化ホールにおいて開催され、250名が参加しました。
この「市民の集い」は、「平和市長会議」のビジョンに賛同する広島県内の市民6団体(広島県生協連、県原爆被害者団体協議会(2団体)、県地域女性団体連絡協議会、県宗教者NGO協議会(広島YMCA)、県青年連合会の6団体)が実行委員会を形成し、今回の開催となりました。
「平和市長会議」に広島県の自治体は100%加盟しています。「集い」に先駆けて、実行委員会を代表し県生協連役員と会員生協組合員が分担して県内13市9町(後援の広島市を除く全自治体)を訪問し、「集い」への参加を呼びかけました。結果、「集い」当日は、松井広島市長、三村熊野町長が参加され、三次市・尾道市・江田島市・東広島市・坂町・北広島町・大崎上島町・世羅町の4市4町から代理出席いただくことができました(小坂安芸太田町長は急遽欠席)。また、三次市長・庄原市長・大竹市長・廿日市市長・安芸高田市長・府中町長・坂町長の5市長2町長からメッセージをいただきました。「集い」開催にあたって各自治体には、平和の取り組みについてのアンケートにもご協力いただきました。
「集い」のオープニングは、広島YMCA保育園の園児と生協ひろしま虹のコーラスの平和の歌で始まりました。
主催者挨拶では、実行委員会代表の冨田県生協連会長理事から、戦争も核兵器もない世界を求めて取組を進めていきたいと挨拶されました。
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主催者挨拶(冨田実行委員会代表(県生協連会長理事)) |
オープニング:「青い空は」合唱(広島YMCA保育園と生協ひろしま虹のコーラス) |
松井 一實広島市長より、平和市長会議報告
「核兵器廃絶に向けた平和市長会議の取組と市民の役割」
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平和市長会議の取組みをご報告くださる松井一實平和市長会議会長(広島市長)) |
平和市長会議は、1982年に設立された国連登録NGOである。現在、151か国・地域の5020都市が加盟している(国内1056自治体、全市区町村の60.5%)。広島県内23自治体全てが加盟しており、会長は広島市長となっている。
なぜ、首長が核兵器廃絶を訴えるのか。(1)都市は戦争の際、攻撃の標的となる。(2)自治体は市民の生命・財産を守らなければならない。(3)核攻撃が行われた場合、甚大な被害を受けるのは都市の市民。(4)だからこそ、首長は、核保有国等に対し核兵器廃絶を訴えなければならない。
「平和市長会議」の「2020ビジョン」(核兵器廃絶のための緊急行動)では、中間目標として、2015年までに核兵器禁止条約を締結し、最終目標として、2020年までに全ての核兵器を廃絶するとしている。2020年が大切な理由は、(1)被爆者の平均年齢は現在77歳を超えている。(2)一人でも多くの被爆者が存命のうちに「核兵器のない世界」をつくることは、国際社会の責務であること、(3)そのために、2020年までの核兵器廃絶を目指す。
「核兵器禁止条約」の早期実現を求める市民署名活動がこの間展開されてきた。2007年2月から「都市を攻撃目標にするな(CANT:Cities Are Not Targets)プロジェクト」市民署名活動を開始。2010年12月から「核兵器禁止条約」の早期実現を求める新たな署名活動を展開。署名数の累計:約114万筆(2011年10月1日現在)。うち、全国の生協から約78万筆、広島県生協連から約11万筆(広島県生協連2011年度中間集約141,049筆(内、生協ひろしま13万余筆)※写真 は含まず)。
国内各地で積極的な取組が行われている。山口県では、昨年に続き今年も「やまぐちピースフォーラム」(2011年7月)が、県内首長、被爆者団体、生協などで開催された。
また、今年8月25〜27日には、神奈川県逗子市と市民団体の共催で、核兵器廃絶と自治体の平和施策についての意見交換会が開催され、10月15日には、草津市平和祈念フォーラムが開催され、草津市が核兵器廃絶を目指し、人権尊重と恒久平和を後世に引き継ぐことを目的に開催された。この他、千葉市や藤沢市などでも首長を交えた取組が行われている。
市民の皆様には、(1)「核兵器禁止条約」の早期実現を求める市民署名活動への協力、(2)各地域での平和学習の推進や戦争体験を語り継ぐ会などの開催、(3)それらのことを通じた核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に向けた機運の醸成をお願いしたい。
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広島県生協連の2011年度CANT署名中間集約141,049筆を、松井市長に提出
(写真右から、松井市長、冨田県生協連会長理事、上田県生協連理事(生協ひろしま理事)) |
シンポジウム ― 戦争も核兵器もない平和な未来を子どもたちに残すために ―
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写真左から、岡村県生協連専務理事(司会)リーパー広島平和文化センター理事長、坪井県被団協理事長、金子県被団協理事長、木原IPRAY副理事長、川本県生協連理事(シンポジスト) |
フロアより「自治体として町民と一緒に平和で安心な地域づくりに努めたい」と感想を発言くださる三村裕史熊野町長 |
広島県生協連の岡村専務理事の進行で、5人のシンポジストから発言頂きました。
○スティーブン・リーパーさん((公財)広島平和文化センター 理事長)
松井市長に代わって、国とのつながりという面で新たな希望が生まれた。スペインで「平和市長会議」の理事会があり、今後2年間のキャンペーンの内容が議論される。国連の第1委員会にノルウェーが軍縮会議の活発化をめざすための議案を提案している。日本がこれに賛成するよう、少なくとも棄権しないよう、今ロビー活動が求められている。軍縮会議はジュネーブで開催されているが、100%合意がルールであるため、1カ国でも反対すると議案採択されない。結果、何も前進していない。それでこの会議を国連の会議(多数決ルール)に組み込もうということをノルウェーなど3カ国が提案している。ロビー活動をぜひ進めて欲しい。
○坪井 直さん(県原爆被害者団体協議会 理事長)
自分は爆心地から1kmのところで被爆し、気を失っていたので、終戦(8/15)を知らなかった。9月26日まで40日間、意識がなかった。今、2つのガンと心臓病、他にも慢性疾患を患っている。これまで、輸血と点滴で生きてきた。被団協では55年前から運動をしてきた。中国やインド、北朝鮮などにも行って訴えてきた。人間の命と尊厳が一番大事だ。だからそれを奪う戦争は反対だ。一発で多くの人の命を奪う原爆もだめだ。テロも許さない。人の命をとってしまうものは、もってのほかだ。核兵器廃絶まで、何が何でも、諦めないで訴えていきたい。Never give up だ。
○金子 一士さん(県原爆被害者団体協議会 理事長)
1955年に第1回原水禁大会が開催され、それを受けて被団協が結成された。半世紀の間、核兵器廃絶を訴えてきた。昨年は、700万の署名をもって国連に要請にいった。重要な成果もあった。広島で国連事務総長が「生きているうちに」と言った。日本政府が先頭にたつように変えていかなければならない。
○木原 世宥子さん(広島YMCA(NPO法人 I PRAY 副理事長))
子どもたちへの平和教育として、平和に暮らしているところに原爆が落ちたらどうなるかを子どもが演じることに取り組んできた。8月6日のことを再現してみる。被爆し全身火傷したことを話すと、子どもが真剣に受止め、自分で演じようとする。そんな体験から、つまらない日常や平和の大切さを子どもたちは知っていく。この「I PRAY」の取り組みを16年間継続している。
○川本 信枝さん(県生協連 理事、生協ひろしま理事)
食べることへの関心から生協に加入した。そして、生協がいろんな活動をしていることを知った。平和行進にも参加した。平和であるからできることなんだと思った。こうしたことも生協に加入していなかったら知らなかった。おかあさんの気持ちがたくさん集まって、いろんなことができる。署名の取り組みでは、職員も一緒に頑張って多くの署名を集めることができた。
○熊野町の三村裕史町長(会場発言)
町には被爆者手帳をもつ町民も多い。広島県民としても、「Never give up」の精神で取り組んでいきたい。
○坪井さん
昨年のNPT再検討会議(ニューヨーク)では、生協から100名、被爆者が50名参加した。生協の方に大変助けられお世話になった。
○岡村さん
「市民と自治体とが一緒に取り組めば大きな力になる」ということで開催した。思想信条の違いを超えて、協力しあうことの大切さが、本日の集会で改めて確認された。
最後に「集会アピール」(次頁)を採択して閉会しました。
>>「集会アピール」はこちら
石田実行委員(県青年連合会顧問)は閉会挨拶の中で、以下のように述べられました。
今回の集いは、6団体として初めての取組みだった。被爆者の思いを受け継ぎ、核兵器という絶対悪に未来を託すことなく平和なくらしを次世代につなぐため、核兵器廃絶の一致点で手をつなぎ大きなうねりをつくっていく、今日の集いがきっかけになればと願う。顔が見える取組み、運動の輪を広げていきたい。
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閉会挨拶
(石田県青年連合会顧問) |
アピール朗読
(仲島県地域女性団体連絡協議会会長) |
※マスコミは朝日新聞社と中国新聞社とが取材し、中国新聞社が29日に報道しました(朝日新聞は11月初旬掲載予定)。
街頭署名
「集い」終了後に、八丁堀福屋周辺にて街頭署名を行いました。
36名が参加し、30分間で176筆が集まりました。
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横断幕を持つリーパー広島平和文化センター理事長、金子県被団協理事長、岡村県生協連専務理事(写真左から) |
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リーパー理事長の話に足を止め、まっすぐな瞳で署名する子どもたち |
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