広島県消費生活課 御中
2015年2月9日
広島県生活協同組合連合会
消費者行政の充実にむけて取り組んでおられることに心から敬意を表します。
広島県生協連は、県内15の生協、約89万人の組合員が加盟する消費者の生活向上をめざす組織です。
広島県消費者基本計画(第2次)にあたっては、広島県消費生活審議会や広島県生協連も参加した消費者団体との意見交換会等の意見を尊重していただき、たいへんありがたく思います。総括的には消費者の立場に立った施策となっていると思いますが、部分的に意見を述べさせていただきたいと思います。
1.「第4章 施策の展開 基本的方向:I消費者被害の防止と救済 施策目標:1消費生活相談体制の充実強化」について(P24)
より一層の情報収集、情報提供機能の強化を求めます。
県内どこの相談窓口でも、同様のサービスを受けるために、相談ネットワーク(PIO−NET)の活用と相談員の資質向上をお願いします。また、初期対応として、誰にでも相談窓口(電話相談窓口)に気軽に電話ができるように認知してもらうために、電話番号を3ケタの電話番号等(110番、177番、117番等の誰もが認識している番号)を活用して、情報収集提供の総合窓口を一本化することを検討していただきたいと思います。
2.「第4章 施策の展開 基本的方向:I消費者被害の防止と救済 施策目標:2高齢者等への支援 (2)高齢者等の見守り体制の充実強化」について(P31)
重層的な「見守りネットワーク」を形成することを求めます。
地域での支援体制を充実強化するために、高齢者等を見守る立場にある人達、地域の団体等と連携することが必要と思います。大きな範囲では効果が発揮できないと思うので、小中学校単位程度でのネットワーク形成と情報伝達を徹底できるよう強化していただきたくお願いします。
3.「第4章 施策の展開 基本的方向:II消費者の選択の機会と安全・安心の確保 施策目標:4商品・サービス・食品の安全性の確保 (1)商品・サービスの安全性の確保(P38)
消費者事故や消費者被害をまず未然に防止することが大切と思います。各種法令に基づく指導の徹底をお願いします。
発生した場合の迅速な情報提供方法については、市町への通知、ホームページの活用はもとより、消費者へ迅速に確実に周知させる具体的な方法をご検討いただきたくお願いします。また、発生した案件に対して一方的に伝えるだけでなく、消費者、消費者団体からの意見や、提案を受ける場の設定、仕組みを考えていただきたいと思います。
4.「第4章 施策の展開 基本的方向:II消費者の選択の機会と安全・安心の確保 施策目標:5事業者の適正な情報提供と消費者の選択機会の確保 (1)表示等の適正化の推進(P41)
食品表示等に関して、事業者への普及啓発はもちろん、消費者への教育にもより一層力を入れていただきたいと思います。
表示に関する法律は、2014年度に2回改定されましたが、消費者への周知については不十分だと思います。消費者にとって商品を選ぶには、表示は大切な情報です。「表示を見て買う」賢い消費者になるためにも、消費者への教育の徹底をお願いいたします。
5.「第4章 施策の展開 基本的方向:III消費者教育の推進 施策目標:6様々な場における消費者教育の推進」について(P45)
消費者への教育はたいへん重要です。
2015年度予算が1月14日に閣議決定されました。地方消費者行政活性化交付金は、2014年度と同額の30億円が認められました。単年度の交付金として措置され、これまでの地方行政活性化基金への上積みはできません。地方消費者行政の推進強化にむけた財源確保と並行して、人材確保、育成はこの基本計画を推進する上で、重要な基盤となります。広島県においてもその基盤整備のための措置がされますことをお願いします。
消費者を狙った手口は、ますます悪質化、重層化しています。にもかかわらず、学校や職場での教育は、積極的には取り組まれていない状況です。啓発資料の作成等、最新情報の提供含め、子どもから高齢者までのくらしのステージに応じて、必要な生涯学習の視点で、より具体的な計画策定(学校教育の義務化等)、スケジュール化を行い、取り組みを進めていただきたいと思います。
また、食育の視点から、若い世代への教育も必要です。学校教育、高齢者への教育と合わせて、教育機会の提供をお願いいたします。
消費者への教育として、消費者を教育する担い手の育成も大切です。担い手となる方の明確化や、資格制度の導入等、より具体的な施策を示していただきたいと思います。
以上
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