広生協連発第2014―030号
2014年7月15日
内閣総理大臣
安倍 晋三 殿
集団的自衛権行使を可能とする憲法解釈の変更に反対
7月1日、安倍内閣は、他国への攻撃に自衛隊が反撃する集団的自衛権の行使を認める閣議決定をされました。集団的自衛権の行使容認については、報道各社が実施した世論調査でも明らかなように、反対が賛成を上回り、多くの国民が不安と疑念を抱いています。憲法の柱である平和主義を根本から覆す解釈変更に対して強く反対します。
戦後の歴代内閣は、戦争放棄と武器不所持をうたっている憲法第9条の下において、憲法解釈の整合性が保たれ、論理的に許容されている自衛権の行使は、我が国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきものであると解してきています。その時々の政権の判断で、憲法解釈を閣議決定し、この問題を進めていくことは、立憲主義、法治国家として根幹を揺るがす重大な問題であり、民主主義国家を標榜する日本国が取るべき方策ではありません。
ヒロシマは、人類史上初めての原子爆弾投下により、多くの市民が犠牲となりました。今なお被爆者の多くは、その後遺症に苦しんでおられます。私たちの願いは、二度とそうした惨事を繰り返さないために、戦争も核兵器もない平和な世界を実現させていくことです。
成熟した国際社会において、世界の人々が力と脅威を背景とする武力行使ではなく、対話を重視した平和外交を貴殿に求めます。
人類の恒久平和を求めるヒロシマからの、心からの願いをお聞きいただき、集団的自衛権の行使については、将来に禍根を残さないために慎重かつ国民全体でオープンな議論をしっかりと時間をかけて行うことを要望いたします。
以上
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