2013年4月8日
環太平洋連携協定 (TPP)に関する声明
=日本政府の拙速な交渉参加表明には賛同できません=
広島県生活協同組合連合会
会長理事 岡村 信秀
安倍総理は、3月15日、環太平洋連携協定 (TPP)交渉参加を正式表明しました。
この間、一連のTPP交渉参加の意思表示に関しては、政府主導の参加表明が拙速であり、生活者・消費者の視点からみれば、まだまだ不透明感が払拭されていない懸念を抱かざるを得ません。
当連合会としては、十分に国民に理解が得られていない現状での日本政府のTPP交渉参加表明については、賛同できません。
私たちは、「誰もが安心して暮らせる持続可能な地域コミュニティの再生」へ貢献し、地域の人と人が結びつく良質な共生社会の実現をめざしています。また、これまでに引き継いできた良き伝統文化を継承しつつ、地域社会の持続可能性と世界とが、良い形で連携していくことを願っています。
以上の視点を踏まえ、開かれた民主主義国家として十分な情報開示と議論を尽くし、国民への理解と納得が得られる発言と行動を求めます。
≪主な主張点≫
- 政府主導でのTPPへの交渉参加表明は、拙速であり国民に対して十分な情報提供と論議が尽くされていない。
- 将来に向けて、安心・安全な食料確保と食料安全保障の視点が明確に示されておらず、私たちの暮らしが一変する可能性が否めない。
- 農畜水産物等の国内生産基盤の崩壊による、多面的な機能、とりわけ地域環境保全の方策が不十分である。
- 遺伝子組み換えの食品表示など、食における安心・安全基準の緩和により消費者選択の権利が大きく揺らぐ可能性がある。
- TPPは、食や農業分野に留まらず、医療保険や介護保険などの公的保険制度の縮小や、共済分野においても相互扶助のしくみの根幹が揺らぐなど、誰もが安心して暮らせるための幅広い分野において大きく影響する。
- 地方経済・産業が衰退・疲弊することにより就労・雇用の安定確保への影響が非常に危惧される。
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