「消費者のつどい2008」開催報告
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呉市消費者協議会会長
の羽倉幸子さん |
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広島県生協連コープアドバイザー
の桜井陽子さん |
11月26日(水)広島県消団連と広島県の主催で、「消費者のつどい2008」を開催し、180名の参加がありました。
はじめに消費者団体の活動報告がありました。
広島県消費者団体連絡協議会からは、呉市消費者協議会会長の羽倉幸子さんが、消費者1,100名を対象に実施した、『環境と食の安全について』の意識調査の集計結果について報告しました。「特に輸入農産物や加工品に不安を持っている人が多いことがわかりました。(中略)食糧自給率を知っている人が半分以下というのが大変寂しく思います。また自給率を上げるために農業で生計が立つような制度が必要だ」と報告しました。
次に、広島県生活協同組合連合会から、コープアドバイザーで生協ひろしまの組合員の桜井陽子さんが『「ちいさなエコ」実践しています』と題して報告しました。桜井家の家庭エネルギーの推移をもとに、具体的にどのように削減したのか説明し、さらに、部門別二酸化炭素排出量ではエネルギー、産業部門が6割を占めているものの、消費者が食品を購入するときに、国産原料のものを選択することによって二酸化炭素排出量を削減でき、それによって産業界も変わると報告しました。
最後に、『食の安全情報を読み解く』と題してフリーの科学ライターの松永和紀さんにお話いただきました。
はじめに「朝バナナダイエット」を例に、日ごろマスコミで取り上げられる情報にいかに消費者が振り回されているか、具体的に説明されました。中国産冷凍ギョウザ報道についても、専門家の間では残留農薬ではなく犯罪などによる高濃度汚染の可能性が高いと想定されていたにもかかわらず、マスコミは当初から残留農薬の可能性を考えて報道し、中国での農薬散布などセンセーショナルに報道したため、消費者が中国産に対する強い拒否反応が出たこと、実際には中国産の品質は急上昇しており、国産を凌ぐものが数多く出てきていると指摘されました。「食の安心・安全と言うけれども、安全とは科学的・技術的に評価した結果得られるもので、安心は信条、受け止め方であり、安全と安心を混同してはならない」と説明されました。最後に食の安全は総合的に判断するものであり、「報道は多様な事実のなかで一部だけセンセーショナルに報道するもので、特定の誰かに都合のよい情報だけが発信され続け、拡大し、やがて真実になっていくもので、受け身を脱して、科学の読み書きそろばん力をつけよう」と呼びかけられました。
参加者は日ごろ、いかにマスコミの情報に左右されているか、また安全と安心の混同している事実に気付かされ、日ごろから事実は何かを見極める力を付けないといけないと感じさせられた講演でした。
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講演中の松永和紀さん |
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