「米国・カナダ産牛肉に係るリスクコミュニケーション」で消費者の立場から発言
「食品に関するリスクコミュニケーション(広島)」に岡村広島県消団連事務局長が出席しました
「食品に関するリスクコミュニケーション(広島)〜米国・カナダ産牛肉等に係る食品健康影響評価案に関する意見交換会」
●主催 |
内閣府 食品安全委員会 |
●日時 |
2005年11月18日(金)14:00〜17:00 |
●場所 |
NTTクレドホール(広島市中区基町) |
●内容 |
(1)講演「米国・カナダ産牛肉等に係る食品健康影響評価(案)について」(小野寺節
食品安全委員会プリオン専門調査会専門委員)
(2)パネルディスカッション 会場参加者との意見交換 |
全国7箇所(札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡)で開催の標記意見交換会・広島会場に、消費者代表パネリストとして、岡村信秀
広島県消費者団体連絡協議会事務局長(広島県生協連専務理事)が出席しました。
前半の講演を受けて、後半は6名(プリオン専門委員、消費者、生産者、流通業者、厚生省、農水省)がパネルディスカッションをし、最後にフロアーからの意見を受けました。
講演では、米国・カナダ産牛肉・内臓を摂取する場合と国産牛・内臓を摂取する場合のリスク差について調査した結果について、「"リスクが同等である"と厳密に評価することは困難」との結論を得たことが報告されました。
理由としては、
- 米国・カナダに関するデータの質・量ともに不明点が多い
- 「管理措置が遵守されている」と「仮定」して評価しなければならない(管理機関による検証が現時点では不明確)
などが挙げられました。
その上で、「日本への輸出用に行う20ヶ月齢以下、SRM除去という"特別の管理措置"を内容とする輸出プログラムが"遵守されたと仮定"した場合には米国・カナダ産牛肉等と国内産牛肉等のリスクの差は非常に小さいこと、輸入が再開された場合、管理機関による輸出プログラムの"実効性・遵守状況の検証が必要"との結論にいたった。」と、報告されました。
講演をうけて、岡村消団連事務局長は、「"科学的評価が困難"との結果は、消費者としては"安全宣言ではない"と受け止めた。」とディスカッションの口火を切り、「研究者からも、米国のSRM(特定危険部位)除去方法、監視体制は客観性が不十分と指摘されており、一部報道では、"輸入再開後にBSE感染牛が新たに見つかっても、科学的根拠が明らかにならない限り輸入停止はない"とされている。
これはつまり、"管理監視体制は不明瞭であり、万一感染牛が出ても(感染原因が解明されていない現時点では)輸入停止もできない"と理解できる。」と、消費者の安全確保への危惧を述べ、問題提起しました。
また、生産者から「外食店などでの表示は指針に過ぎず義務はないため、消費者に選んでもらう指標がない」との指摘に、農水省から「レストランの人に聞けばよい」と解答があり、これについて岡村事務局長は、「消費者にとって、表示は決定的な意味を持つ。JAS法では表示義務はなくとも、消費者基本法では、事業者と消費者の情報の格差を考慮し、『消費者の知る権利』が明記された。
輸入が再開される場合は、ぜひ、消費者が選べる仕組みも確立してほしい」
と、消費者基本法に基づき、意見を述べました。
内閣府 食品安全委員会ホームページ
http://www.fsc.go.jp/
(意見交換会関連ページ)
http://www.fsc.go.jp/koukan/zenkoku_risk17bse/zenkoku_risk17bse_hiroshima_171118.html
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