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【広島会場の様子】 |
5月22日に2つの広島県原爆被害者団体協議会、広島YMCA、広島県地域女性団体連絡協議会、広島県青年連合会、広島県生協連合会の6つの市民団体が実行委員会を結成し、(公財)広島県男女共同参画財団と共催で、2025「戦争も核兵器もない平和な世界を」市民の集いを開催しました。この集いは14年前から開催しています。
被爆80年の今年は、広島県、平和首長会議、(公財)広島平和文化センターをはじめ、広島市を含む県内全市町から後援をいただき、広島会場(サテライトキャンパスひろしま)、福山会場(まなびの館ローズコム)、三次会場(みよしまちづくりセンター)の3会場をオンラインで繋げて開催しました。
福岡誠志三次市長、吉田隆行坂町長、寺尾光司府中町長の3名の首長の実出席を含め、12自治体の関係者、広島県内の生協組合員、役職員、6団体の会員、一般市民など約170名(実参加132名、オンライン約40名)が参加しました。
はじめに、主催者を代表して岡村信秀広島県生協連会長理事から、日本被団協のノーベル平和賞受賞は、被爆者の切実な思いを伝え続けてきたことの評価であり、私たちに確信と希望を与えてくれた。国際秩序が大きく揺らいでいる今、私たち市民団体が次の世代のためにこれからの運動を前進させる使命があるとの挨拶がありました。
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【湯ア 英彦 広島県知事】 |
【福岡 誠志 三次市長】 |
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【落合 史典 福山市市民局長】 |
来賓挨拶は湯ア英彦広島県知事からビデオメッセージをいただきました。当集会が毎年開催されていることについて、関係者への敬意が表されました。現在、核兵器を利用した恫喝、核抑止への依存が進み、核のタブーが危機に瀕している。核が存在する限り脅威から逃れられないのは事実であり核兵器は廃するしかない。広島県としても核兵器廃絶にむけて平和のメッセージを送り続けていく。と述べられました。
三次会場にご参加いただいた福岡誠志三次市長からは、広島県被団協初代理事長 森滝市郎氏及び第3代理事長 藤川一人氏など県北出身の先輩諸氏の意思を引き継ぎ、三次市は市民と一緒に“三次平和非核都市宣言”をつくり、3年前にはロシアにも抗議文をおくったこと、平和への歩みを未来に引き継いでいくと述べられました。
福山会場にご参加いただいた落合史典福山市市民局長からは枝廣直幹福山市長からのメッセージを代読していただきました。核兵器を巡る世界情勢は混迷を極めているが、被爆80年の節目を迎え私たちは被爆国の一員として再び悲惨な戦争が起こらないようにしなければならない。平和非核都市福山宣言の主旨に沿って命の尊厳と人類の共存を基本とする平和行政を推進すると述べられました。
特別講演①では中国新聞社編集局ヒロシマ平和メディアセンター長の金崎由美様から「ノーベル平和賞受賞の意義とこれからの運動の進め方〜締約国会議に参加して〜」と題し、報道する立場から被爆80年についてご講演をいただきました。
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【金崎 由美 氏】 |
ノーベル平和賞授賞式での田中代表委員及びフリードネス委員長の共通する“原爆で亡くなった方への思い”について報告された後、授賞式が行われている最中、日本とアメリカの政府が抑止拡大について協議をしていたこと、日本被団協が日本政府に締約国会議参加要請したことに対しゼロ回答だっただけでなく、政府から「核シェルター」について言及があったこと、締約国会議では宣言が採択されたのに対し、NPT準備委員会では勧告採択ができなかったことなど、相反する“力”の状況や報道について報告されました。
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【熱心にメモをとる参加者】 |
広島県・広島市の核兵器廃絶に向けての思いやその報道、戦時中は国に従い戦争を正当化しながら国民を鼓舞する報道をしていたことなどにもふれ、「私たちが持つべき視点はきのこ雲の上からの視点ではなく、人間の顔が見える“きのこ雲の下からの視点”で報道していきたい」「記録して次世代に繋げ、“日本を変える”“世界を変える”ことは難しいが、やらなければならない」という言葉に参加者は感銘を受け、今後の活動の励みになりました。
特別講演②では「被爆者からの報告」と題し、箕牧智之 広島県原爆被害者団体協議会理事長及び望月みはる広島県原爆被害者団体協議会事務局長から報告をいただきました。
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【箕牧 智之 理事長】 |
【望月 みはる 事務局長】 |
箕牧理事長からは“戦時中、国から知らされていた嘘の情報”“東京大空襲後、父の出身地である広島に疎開し被爆した体験”“被爆後の生活状況”などをお話されました。
望月事務局長からは“80年が過ぎた今でも被爆者手帳申請があること”“被爆者と認められていない被爆者の実態”“アメリカ政府・日本政府に求めること”などについてお話されました。
続いて、生協の平和活動について広島県生協連の大内佳子理事より2024年度広島県生協連の平和活動と、2025年被爆80年の取り組み等についてご報告いただきました。
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【市川 幸子 事務局長】 |
アピール文は核兵器廃絶の市民運動を励ました歌「原爆を許すまじ」の歌詞を紹介しながら、人間の尊厳を土台に思想信条の違いを超えて連帯すること、ウクライナ戦争やガザ地区紛争に抗議し即時終結を要請すること、日本政府の核兵器禁止条約締約国会議へのオブザーバー参加を求め、核兵器廃絶に向け、被爆者と連帯し市民社会活動を推進すること等を盛り込んだ内容とし、広島県地域女性団体連絡協議会市川幸子事務局長が読み上げ、参加者全員で確認しました。
閉会の挨拶は(公財)広島YMCAの家守治司理事長よりアピール文を引用し「核兵器は、その非人道性から、人類と共存できない“絶対悪”であり、平和で安心できる日常のくらしを次世代につなぐことが、今を生きる私たちの願いであると訴えられ、各地域の中で、市民が主体となって行政と力をあわせた運動の輪を広げていくと発しました。会場参加者、オンライン参加者も含め全員で「戦争も核兵器もない平和な世界」の実現に向けて市民の世論形成を高めていくことを確認しました。
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【家守 治司 理事長】 |
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