2017年10月19日(木)広島市中区の県民文化センターにおいて、広島県生活協同組合連合会50周年企画として「2017市民平和フォーラム」を開催しました。広島市長をはじめ、行政や広島平和文化センター、友誼団体、全国の県生協連合会や会員生協の役職員や県内生協の役職員、約400名が参加しました。
最初に、オープニングコンサートとしてカープ球団公認の「CARP JAZZ」の演奏がありました。
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「CARP JAZZ」の皆さん |
来賓挨拶 松井市長 |
主催者挨拶は、広島県生協連岡村会長理事より挨拶しました。
ご来賓として、広島市松井市長より、「地球上には、核があり核の使用をほのめかす為政者がいる。そのような為政者を出さない状況をつくるのは、市民社会の責務ではないか」と、連帯のご挨拶いただきました。
【テーマ別講演】
○「広島の被爆復興・カープとお好み焼」
①「なぜ、広島にお好み焼があるのか」
広島市立大学 特任教授 國本善平氏
被爆後の市民のくらしとお好み焼の写真を紹介しながら報告いただきました。「被爆後の生活苦の中で、市民の皆さんで育ててきたのが、お好み焼。ポピュラーなものとして、市民が食べて続けて初めて食文化となる。また、お好み焼は、地域の共有のセカンドキッチンであり、広島の知恵と味付けで、広島の被爆後の市民の食を支えてきた」と報告されました。
②「なぜ、カープは市民に愛されるのか」
NHK広島放送局報道番組ディレクター 鈴木昭弘氏
カープは、市民・県民が支えてきた球団、映像と当時のエピソードを交えて報告いただきました。戦争で伝統や文化が失われた。失われた伝統や文化の象徴がお祭りであり、お祭りは、人を一致団結させることが出来る。被爆から復興していく中で一致団結してカープを応援してきた。「カープは、広島の人にとって、平和を祈願するお祭りのようなものではないか」と報告されました。
○記念講演
「〈被爆体験〉の行方」
広島市立大学 広島平和研究所 教授 直野章子氏
被爆者の被爆した後の生活や当時の状況を被爆者が描いた絵を紹介しながら、報告いただきました。「被爆体験の継承は、原爆による被害体験から再び被爆者をつくらない信念を導き出した体験をさしている。被爆体験を継承するのは、被爆者だけがつくりあげたものでなく、被爆者が死者を胸にいだきながら、被爆者と同じ時代を生きる人々と共につくりあげてきた共同作業であり、それが継承すべき被爆体験である」と報告されました。
○被爆者からのメッセージ
「私の証言」
広島県原爆被害者団体協議会 副理事長 箕牧智之氏
戦時中から被爆直後の話を写真や高校生が描いた絵を紹介しながら、報告をいただきました。また、NPT再検討会議や核兵器禁止条約の会議に被爆者の声を届けた時の話や被爆者としての思いやICANのノーベル平和賞についてもお話しいただきました。「今年は、ニューヨークに国際署名を届け、核兵器禁止条約が採択され、ICANのノーベル平和賞を受けた。被爆者にとっては追い風となった一年であった。」と報告されました。
【参加者アンケートより】
- 地域、広島の食文化(お好み)カープの市民県民の生きる力を感じました。
- 市民とカープへの思いを非常に感じたし、やはり市民が原爆からの復活の支えとしたのではないかとの思いを実感できました。
- とても参考になりました。となり人と何度も涙が出て泣きながら聞き入りました。講師の被爆者への深い理解に、お礼を言いたいと何度も思いました。心構えが強固なものになりました。私の活動に生かそうと思っています。ありがとうございました。
- 箕牧さんの証言を聞くことができてよかったです。語り続けていくことの大切さだけではなく、苦労をユーモアを交えながらお話しいただき、心が温かくなりました。これからも積極的な活動を続けていただきたいと思いました。
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「なぜ、広島にお好み焼があるのか」 國本氏 |
「なぜ、カープは市民に愛されるのか」 鈴木氏 |
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「〈被爆体験〉の行方」 直野氏 |
「被爆者からのメッセージ」 箕牧氏 |
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