主催:「戦争も核兵器もない平和な世界を」市民の集い 実行委員会
後援:広島県、広島市、平和市長会議、(公財)広島平和文化センター
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来賓:湯ア英彦広島県知事
「県は昨年『国際平和拠点ひろしま構想』を発表。市民や県内自治体と連携しオール 広島で取り組みを推進していきたい。市民が主体となり行政と連携した本集いに期待します」とご挨拶頂きました。 |
5月23日(水)鯉城会館・サファイアで、標記行事を開催し、120人が参加しました。
この集いは、「平和市長会議」提唱の2020ビジョンに賛同する広島県内の市民6団体(県原爆被害者団体協議会(2団体)、県地域女性団体連絡協議会、広島YMCA、県青年連合会、広島県生協連、※事務局は県生協連)が実行委員会を形成して昨年初めて開催し、今回で2回目となりました。
昨年は、県内全市町を事前訪問の上、全市長・町長に参加を呼びかけ、松井広島市長、三村熊野町長にご本人出席いただいたほか、三次市・尾道市・江田島市・東広島市・坂町・北広島町・大崎上島町・世羅町の4市4町から代理出席いただきました(小坂安芸太田町長は急遽欠席)。
今年は、全23市町の職員に参加を呼びかけたところ、広島市・竹原市・尾道市・東広島市・海田町・熊野町・坂町・北広島町・世羅町・神石高原町の4市6町と広島平和文化センターからご参加いただきました。
今回は、広島県「国際平和拠点ひろしま構想」が昨年秋に策定されたことを受け、広島県にも協力いただきました。松井広島市長が会長を務める「平和市長会議」に引き続き賛同し取り組みを進めるとともに、「国際平和拠点ひろしま構想」を基軸に、県民市民が行政と連携して、核兵器廃絶と地域の安定のため、世界の中の広島の役割を果たしていく重要性を再確認しました。
「集い」は、生協ひろしま虹のコーラスの平和の歌で始まりました。
主催者挨拶では、実行委員会代表の冨田県生協連会長理事から、戦争も核兵器もない世界を求めて取組を進めていきたいと決意を述べました。
昨年度の実行委員会や生協の平和の取り組みを、パワーポイントで紹介しました。
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主催者挨拶(冨田実行委員会代表(県生協連会長理事)) |
オープニング:平和の歌(生協ひろしま虹のコーラス) |
活動報告(市原県生協連組織委員(県労済生協)) |
分散会〜被爆の証言〜
分散会では、少人数のグループに分かれて被曝証言を聴き、核兵器の非人道性について、自治体職員のみなさんと共に学びました。
スティーブン・リーパー広島平和文化センター理事長より報告
「世界の平和情勢と平和市長会議の役割、市民・加盟自治体への期待」
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情勢報告
スティーブン・リーパー 広島平和文化センター理事長 |
「2010年NPT再検討会議で、人類は核兵器のない世界を目指すと100%の合意がなされた。そして、中東非核地帯構想に関する国際会議の2012年開催が義務付けられたことは、大きな前進であった。しかし、以降、核保有国は核兵器廃絶に向け、誠実な交渉は一秒も行っていないし、核兵器禁止条約締結に向けた具体的な動きもない。その原因は、リーダーの不在。対人地雷禁止条約締結はカナダが、クラスター爆弾禁止条約はノルウェーが中心になって進んだ。社会・政治・経済的に発言権があり被爆国である日本。また、福島原発事故以来、世界が日本を注目している。核兵器廃絶に向けて、今日本が立ち上がれば、世界がついてくる状況がある。
1995年から、中東諸国は、核保有国が核兵器を放棄しないのであれば自分たちも核兵器を保有すると宣言しており、限界にきている。今、人類は、核兵器廃絶か拡散かの大きな分かれ道に立っている。核兵器が使われれば、ジェット気流に乗って死の灰が地球を覆い、核の闇が訪れる。太陽光が1割遮断されれば、数十億人規模の飢餓に襲われるという研究結果もある。核兵器は、遠い世界の問題ではない。
昨年初めて、政治的中立を維持してきた赤十字が、核兵器は廃絶すべきと発言した。また、今年5月にウィーンで開催されたNPT再検討会議第1回準備委員会では、スイスが『核兵器使用がもたらす破滅的な人道上の結末に関する共同声明』を16カ国を代表する形で発表した。ノルウェーは来年、この声明に関する国際会議をオスロで予定しているが、日本はまだ参加を表明していない。
皆さんが自覚している以上に、広島の動きは、世界に大きな影響を与える。署名や、各自治体でイベントを行うなど、世論を高め、声を大きくして日本政府を動かすことが、世界を動かすことにつながる。日本が平和文化のリーダーとなり、持続可能な安全な世界を作らなければならない。今こそ取り組みを進めていこう。」。
橋本康男 広島県国際部長より報告
「『国際平和拠点ひろしま構想』について」
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情勢報告
橋本康男 広島県地域政策局国際部長 |
「知事挨拶からもあった通り、2011年10月に『国際平和拠点ひろしま構想』を策定。翌11月に、湯ア知事がパン・ギムン国連事務総長に30分以上の懇談説明をし、『国連としても全面的に支持する』との表明。
構想の視点として、次の3つが重点。核兵器廃絶と同時に紛争のない平和で安定した地域社会・世界をつくることが、地域紛争時代の今、重要。世界の視点から見た広島の使命と役割を考える ・・・廃墟から復興した広島は、“核兵器廃絶への信念”とともに、世界で紛争等に苦しむ人々に“復興への確信と未来への希望”を与える。平和構築人材育成への貢献。広島県と広島市の連携・・・広島市とは県と副課長を相互派遣、1月発足の構想推進連絡会議では事務レベルで連携。
広島の資源の活用も進めたい(国連機関ユニタール広島事務所やJICA中国国際センター、広島大学等の研究機関やNGO・市民団体の人材と情報・知識の集積)。
今年度の主な事業としては、各国の核兵器廃絶への取り組み状況の“評価”(核兵器廃絶を進めるために広島からも声を挙げていく=メッセージ発信)、非政府レベルの国際会議の準備(NGOや各国関係者が個人の資格で協議できる場を作る)、広島の復興プロセスの研究(広島市と共同実施)等。
広島市や県内自治体、そして県民市民のみなさん、今日お集まりの皆さんと、オール広島で、核兵器廃絶と同時に、安定した地域社会づくりに包括的に取り組みたい。」
街頭署名
「集い」終了後、本通り商店街入り口にて、平和市長会議提唱「核兵器禁止条約の交渉開始等を求める要請」署名を行いました。
33名が参加し、30分間で86筆が集まりました。
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▲写真右から 荒瀬広島市平和推進課2020ビジョン推進担当課長、リーパー広島平和文化センター理事長、坪井県被団協理事長、吉岡県被団協副理事長、岡村県生協連専務理事 |
▲自転車を止めて署名してくださる方 |
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