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広島県連の活動

2010年NPT再検討会議要請行動報告
〜日本生協連・日本被団協の協同行動〜

 

 現地での行動は、実質5日間という短い期間でしたが、被爆者の皆様と行動を共にし、学校や集会などでの証言活動は多くの成果を得ました。参加者の多くは、原爆の恐ろしさや被爆者の「自分達の苦しみを他の誰にも味あわせたくない」という強い意思(優しさ)を感じ、これまで被爆の実相を知らない多くの市民は、被爆者から直接証言を聞くことで、正当化された原爆投下が誤りであるということに気づかされたようでした。

 そして、今回の私の最大の収穫は、国内外において市民やNGOの活動が確実に広がっていることが実感できたことと、国際社会を大きく動かすのは生協などの市民やNGOなどの粘り強い活動の展開であるということを改めて確信したことです。そして、今後も核兵器廃絶運動の原点である「被爆の実相」と「核兵器の違法性」を活動の基点に据え、多様な団体と連携し、運動の輪を広げていきたいと思います。

2010年5月12日
広島県生協連専務理事 岡村信秀

 以下、活動の概要を報告します。

1. 日本生協連・日本被団協の取り組みと広島県生協連のメンバーの活動
(1) 代表団派遣の目的
日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)と協同して代表団を結成し、被爆者をサポートする。
被爆の実相を広げる取り組みを進める。
核兵器廃絶への道筋をつけるため、政府国連代表部などへの要請行動を展開する。
帰国後、現地の様子や感じたことなどを地域で広げる。
 
(2) 代表団派遣の推移
2005・2010年代表団派遣
生協 日本被団協
(スタッフ含む)
グループ編成 日程
2005年 34名(20生協、生協連) 36名 8グループ 4/29〜5/6
2010年 106名(47生協、生協連) 54名 14グループ 4/30〜5/7
※2005年は反核法律家協会5名が加わり協同行動を実施した
 
(3) 今回の現地での主な活動
 広島県生協連と生協ひろしまのメンバーが参加するグループは、広島の在住の被爆者2名、被爆二世1名、生協7名、計10名の集団で一緒の行動をとることになりました。
Jグループのメンバー
NPT再検討会議代表団(Jグループメンバー)
中村 澄子 広島県原爆被害者団体協議会
本郷町原爆被害者友の会副会長
被爆者
箕牧 智之 広島県原爆被害者団体協議会理事 被爆者
清政 文雄 広島県原爆被害者団体協議会 被爆二世
被団協リーダー
大川 耕三 愛媛県生協連会長理事
コープえひめ理事長
生協リーダー
岡村 信秀 広島県生協連専務理事  
高田 公喜 生協ひろしま常勤理事  
橋野 俊子 生協ひろしま理事 生協代表団副団長  
岩永 昌子 生協ひろしまブロック長  
中村 修 コープCSネット事業企画室統括部長  
赤坂 一忠 生協ひろしま組織政策室担当部長 事務局
 
【行動日程】
日時 行動内容
5/1
11:00〜13:00 代表団結団式に全員参加(日本生協連から芳賀団長、日本被団協から坪井団長の挨拶、現地ボランティアの紹介など、グループごとに分散し交流をおこなった)
午後 国際平和会議に参加 〔大川・高田〕
5/2
13:30〜16:30 核兵器廃絶のためのNGO共同行動集会・デモ行進(タイムズ・スクエアから国連近くの公園)に参加
21時〜 YES!キャンペーン主催「LIGHT UP FOR PEACE」
〔橋野、岩永、中村、赤坂参加〕
5/3
7:30〜 NPT再検討会議国連登録(5時間待ち)
〔岡村、高田、橋野、岩永、中村参加〕
10:00〜 国連原爆展開会 証言活動
〔中村(被)、箕牧、清政、大川、赤坂〕
15:00〜17:00 国際貿易センター(WTC)跡地前の訪問者センターにて、佐々木禎子さんの家族、中村さん(広島三原在住)による被爆証言に参加〔全員参加〕
18:30〜 ヒバクシャレセプションとコンサート
国連本部訪問者ロビーにて〔橋野参加〕
5/4
10:00〜13:00 平和市長会議を傍聴
13:00〜 CANT署名引渡し(秋葉広島市長、田上長崎市長⇒NPT再検討会議議長へ)を見学
〔岡村、高田、橋野、岩永、中村、赤坂参加〕
11:00〜 ブラジル政府代表部訪問、日本政府代表部訪問〔大川参加〕
5/5
11:00〜 ニューヨークブッカーワシントン ジュニアハイスクールで被爆者証言〔全員参加〕
14:00〜 国連原爆展サポート 〔全員参加〕
18:00〜20:00 代表団夕食反省会に参加 〔全員参加〕
 
「核兵器廃絶のためのNGO共同行動集会・デモ行進」(5月2日)への参加
NGO共同行動集会で被爆者の訴え、秋葉広島市長の力強い訴えは参加者を感動させました。
真夏を思わせる晴天下、2万人を超える大集会・デモ行進で、海外の参加者と励ましあいながらの行進となりました。
デモ行進の様子 緑のTシャツを着て行進する生協ひろしまのメンバーと広島県生協連の岡村
 
国連本部での原爆展・被爆の証言(5/3〜28)
5月3日、国連本部訪問者ロビーメインギャラリーにて原爆展がオープン。NPT再検討会議最終日の5月28日まで被爆者がほぼ常駐し、被爆証言に応じ、訪れる政府関係者や観光客に、被爆の実相を伝えました。映像も活用しています。
Jグループ5月5日にサポートに入りました。
 
被爆の証言活動(全体)
小・中・高校・大学・教会などでの証言は全体で約40会場あり、証言活動の要望も増えて、前回(18会場)よりも大幅に増えました。現地でのボランティア人数も増えています。
14グループで分担、1グループが1〜2会場を受け持ちました。

5/3被爆の世界貿易センター跡地=グランドゼロの証言では、広島グループが対応しました。

同時多発テロ追悼施設に12歳で亡くなった佐々木禎子さんが折った鶴が2007年から展示されています。当日は、禎子のお兄さんが被爆の実相を語った。広島グループの中村澄子さん(三原)も証言しました。同時多発テロの遺族の苦しみと原爆の被害に遭った悲しみは同じです。禎子の思いやりの心を伝えることが平和につながると参加者一堂が感じ取った集会でした。

 
政府代表への要請行動(広島グループ以外で対応)
ロシア、ブラジル、マレーシア、ニュージーランド、日本の5カ国(前回、イギリス、フランス、メキシコ、日本の4カ国)
 
2. 平和市長会議の傍聴(5/4)
143カ国・地域の3880都市が加盟する平和市長会議(会長:秋葉忠利広島市長)は、国連本部(第4会議室)で会議を開き、2020年までの核兵器廃絶に向けた運動強化を申し合わせました。本年8月広島を訪問するパンキムン国連事務総長が講演し「被爆者が生きている間に核兵器廃絶を見届けられるよう、私たちは時間枠の中で行動すべきだ」とアピールしていました。
秋葉広島市長と田上長崎市長両氏は、平和市長会議終了直後、国連本部総会議場に移動し、NPT再検討会議のカバクトウラン議長へ、「都市を攻撃目標にするな(CANT)署名」102万4820筆と「ヒロシマ・ナガサキ議定書」に賛同する自治体首長署名1577筆を直接提出しました(広島からの生協代表団全員、広島平和文化センター、YES!キャンペーンのメンバーが見学しました)。
 
3. 2010年NPT再検討会議概要(開幕期間5/3〜28)
(1) 各国政府の演説(冒頭の3日間)
パンキムン国連事務総長が挨拶し、会議の成功をはかる基準として、2000年に合意した「核軍縮のための13項目」の再確認など5項目を提案しました。
福山哲郎外務副大臣(日本政府代表)は、「唯一の被爆国である我が国は核廃絶へ先頭に立って行動する道義的責任があると述べました。非核三原則の堅持を誓う」と鳩山首相のメッセージを紹介し、2020年までの廃絶を実現するため平和市長会議が提唱している「ヒロシマ・ナガサキ議定書」に触れ、市民社会との連携や軍縮・不拡散教育、被爆体験継承への取り組みに意欲を示しました。また福山副大臣は、「この会議が開催されている間も、広島・長崎をはじめとする被爆者の方々が、この会議場の中で、あるいはニューヨークの街頭で核兵器の悲惨さを訴えています」と、被爆者(約100名参加)のニューヨークでの被爆の証言活動などを紹介しました。
 
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